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ストールのお手入れ方法

How to Care for Your Cashmere Scarves

カシミヤストールのお手入れ方法

100%手作りのカシミヤストールは、羊の毛よりも軽く、強く、細かく、断熱性が約3倍。
その結果、従来のウールの嵩張りや痒みのない、羽のような暖かさを実現します。
また通気性があり、柔らかく、寒い季節を快適にするのに十分な厚さですが、
1年中使えるアクセサリーとしてゆったりと羽織ることができます。

手洗いでカシミヤ本来の風合いを引き出す

カシミヤなどの天然繊維は、手洗いで風合いが増すことをご存じですか。
カシミヤ繊維は水分を吸収することで、なめらかで目の詰まった状態を取り戻します。ドライクリーニング表示でも正しい方法をマスターすれば自宅で洗えるものがほとんどです。

むしろドライクリーニングだけでは、汗などの汚れが蓄積されるうえ、繊維が乾燥して糸がゆるんでしまうことも。頻度は数回着用したら洗うくらいが適当です。

またカシミヤ繊維は、湿気の吸収や発散を繰り返し、元の形に戻ろうとするので、着用後は数日休ませるのもポイントです。

やさしく押し洗いし、風通しのいい室内で平干しがおすすめ

手洗いの方法は意外と簡単です。シンクなどに1.5〜10Lの水を貯め、中性洗剤を入れてかき混ぜます。
人肌以上の温度は繊維が開いて縮みの原因になるため、水温は30℃くらいが目安です。裏返したカシミヤ製品をネットに入れて、20分ほどつけ置いたあと、ていねいに押し洗いします。
その後.軽く絞り、ネットのまま洗濯機で10秒ほど脱水します。
脱水後には、吸水性に優れたタオルの上に広げ、タオルでくるくる巻いて余分な水分をとります。
その後、乾いたタオルの上、または専用の乾燥ラックなどに平らに広げて、じっくり自然乾燥させます。直射日光や、暖房、乾燥機は避けてください。

正しいブラッシングで艶をキープ

冬は特に、乾燥や静電気でカシミヤ繊維にほこりが付着しやすい季節。流行のショルダーバッグや重ね着などの摩擦だけでも、デリケートなカシミヤ繊維は乱れます。放っておけば、毛玉になるだけでなくカシミヤ本来の美しい発色までも損なう原因に。

毎日の髪や歯のケアと同じように、カシミヤにもブラッシングを徹底させましょう。それには、カシミヤ繊維に適した天然獣毛(豚毛・馬毛)のブラシと、正しいブラッシングが重要です。

ブラッシングの手順は、まず繊維の絡みをほぐすように、あらゆる方向からブラシをかけてカシミヤの奥にひそんでいるゴミを表面にかき出します。
次に、表面に現れたゴミをブラシで払います。力任せに強くこするのはNGです。仕上げに、ほぐした繊維を整えるように一方向にブラッシングします。
カシミヤ本来の美しい毛並みと艶を、日ごろのケアでキープしましょう。

たたみジワ解消には、スチームか水洗いが効果的

オフシーズンにたたんで収納していたカシミヤストールを出してみたらシワが……。そんなたたみジワを解消するにはどんな方法がよいのでしょうか。

もともとカシミヤ繊維には、湿気の吸収や発散を繰り返すことで、自然に形が戻る性質があります。それでもついてしまったシワは、ニットから少し浮かせた状態で、スチームを当てます。

それでもとれない場合は、面倒でも水洗いがおすすめです。10秒ほど脱水したあと、すぐに洗濯機から取り出して自然乾燥させましょう。カシミヤ製品のシワは、無理な収納に原因があることも。カシミヤのやわらかな風合いを損ねないよう、引き出しなどへの詰め込みすぎには注意してください。

水濡れ時は、タオルで水気を拭き取ってから自然乾燥

突然、雨が降ってきて、お気に入りのカシミヤストールがびしょ濡れに……。
こんなときは、ドライヤー等で急激に熱を加えるより、水分をタオルで軽く拭き取ったあと、暖かい部屋に平らに置いて、自然乾燥することをおすすめします。

人工的な熱が加わると、デリケートなカシミヤ繊維は硬くなり、本来の弾力を失ってしまいます。カシミヤストールが十分に乾いたら、ブラッシングで毛並みをそろえてあげましょう。ドライヤーを使う場合は、高温は避けます。風が当たる面を手で押さえて、ドライヤーを動かしながら乾かすのがベストです。でも、それは応急処置程度で、長時間の使用は避けたほうがいいそうです。

ファンデーションや口紅の汚れにはベンジン

気をつけていたのに、うっかり、カシミヤストールに口紅が……ということも。
「ファンデーションや口紅は油性の汚れですから、小さなシミであれば、ベンジンをやわらかい布か綿棒に付けて、軽くたたき出してみてください。

それでもとれないシミは、プロのクリーニング店に委ねましょう。シミをそのままにしておくと、カビや虫害の原因に。完全に落ちなくなる前に迅速な対処が必要です。ベンジンのついた綿棒でシミをたたき出す場合は、シミがついている面の下に、白の綿布を用意します。その布に吸い取らせるように表面をたたくと、より効果的です。

強い臭いには水洗いがおすすめ!

外食の機会が多くなるシーズン、飲食店での臭いの影響も気になるところです。焼き肉の臭いがカシミヤストールについてしまった時、フレッシュにする方法は?

簡単にできるのは、帰宅後にリネンウォーターや消臭剤をかけることです。しかし強い臭いを完全に取り除くには、水洗いするに限ります。

通気性を確保して保管。季節の終わりにはリフレッシュを

デリケートなカシミヤ製品は、保管方法に気をつける必要があります。収納は、風通しがいい場所が理想です。クローゼットや引き出しに収納する際は詰め込みすぎず、適度な空間を空けるようにしましょう。

クリーニング店のビニール袋は収納袋ではありませんので、必ず取って通気性を確保してください。カシミヤは天然素材であるため、カビや虫害が発生することも多々あります。防虫剤は衣類の最上部へ。防湿剤も忘れずに入れましょう。

大切なカシミヤ衣類は丁寧にお手入れすれば、愛着もひとしおです。ぜひこまめにケアして、長いおつきあいを楽しみたいですね。。